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2012年1月

2012年1月14日 (土)

サイモン・セバーグ・モンテフィオーリ『スターリン 青春と革命の時代』

今読んでいるが、翻訳も読みやすく面白い。

『スターリン 青春と革命の時代』Simon Sebag Montefiore Young Stalinは、『スターリン 赤い皇帝と廷臣たち』Stalin: The Court of the Red Tsar の続編で、後者は、まさにスターリンが権力を握ろうとする1930年代半ばからのスターリンを描いているのに対して、本作は権力を手に入れる前のスターリンの半生の研究である。2冊ともにスターリンの個人的な手紙や最近公開された様々な資料を元に、これまでは触れられることの少なかった生身のスターリン像が描き出されている。これまでのスターリンについての研究書は概して、政治やイデオロギーを分析することでスターリン像を逆に単純化してしまい、共産主義国家でありながら独裁主義国家でもあり、コスモポリタニズムでありながら国粋主義的でもあるソヴィエトへの理解を難しくしているように思える。対して本書の序文には、特異なソヴィエト体制というものを端的に表している一文がある。

実際、レーニン・スターリン主義の悲劇の多くのことに納得がいくのは、次のことに気づく場合だけである—ボリシェヴィキは、クレムリンに世界最大の帝国の政府を構えようが、あるいはチフリスの居酒屋の奥部屋で目立たない小徒党を立ち上げようが、同じ隠密スタイルで行動しつづけたのだと。

これと同じようなことは、前作『スターリン 赤い皇帝と廷臣たち』でも繰り返し触れられている。大粛正(テロル)、独ソ戦を経たソヴィエト政府の政策は、毎晩毎晩、夜が空けるまでスターリンの家で開かれた宴会で決まっていたのであり、モロトフもベリヤもフルシチョフも、そうした小さなサークルの常連であったのだ。

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