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イタリアの旧植民地とアフリカ難民

 リビア経由で地中海を渡りイタリアに辿り着いた難民を、イタリア政府が入国拒否してリビアに送り返した問題で国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はイタリア政府に反対している。

 UNHCRスポークスマンのロン・レドモンドは「重大な懸念事項だ」と声明を出し、イタリア政府に送り返した難民を再び受け入れるように要請。「彼らは国際的な保護を求めている」とし、 1951年に採択された「難民の地位に関する条約」で規定されている「無拒否の原則」はいかなる地理的な制限も持たないと主張する内容の手紙をイタリア政府に送った。

 この声明は、先日、イタリアの上院議長フィーニが「国際法に則り、無法入国のボートピープルを受け入れることはできない」と発言したことを受けたもの。これはある意味論理的であり、フィーニが代表を務める国民同盟(AN)内に根強くある移民排斥の傾向とは分けて考えるべきかもしれない。

 UNHCRはまた、EU諸国の移民問題はわかるが、リビアは「難民の地位に関する条約」を批准しておらず、リビアに送り返された難民はイタリアなどが国際的な保護を与えるべきだとしている。

 興味深いのは、その際、リビア経由でイタリアに到達した難民として、ソマリアやエリトリアなどの国を挙げていることである。リビア、ソマリア、エリトリアの3国は第二次世界大戦後までイタリアの植民地だったが、イタリア、というよりファシズム政権が敗戦(1943年にファシズム政権が失脚したこともあり、イタリアは最終的には国連憲章107条、いわゆる「旧敵国条項」からは削除されている)したこともあって、イタリアから取り上げられた国である。この難民問題はイタリアのポストコロニアル問題と関係しているのかもしれない。

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投稿: 田中 | 2009年5月13日 (水) 11時16分

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